2008 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧症の背景となるET-1遺伝子多型の同定とその成果に基づく栄養管理法の確立
Project/Area Number |
20700591
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
坂野 麻里子 Yamagata University, 地域教育文化学部, 准教授 (90400530)
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Keywords | 高血圧 / 遺伝子多型 / エンドセリン |
Research Abstract |
【高血圧患者の睡眠時血圧上昇に関わるエンドセリン関連遣伝子多型の同定】我々はこれまでにエンドセリン(ET)関連遺伝子の一塩基多型(SNP)が日本人の高血圧発症に関わることを明らかにしてきた。高血圧患者において、睡眠時血圧の上昇は脳卒中や虚血性心疾患をはじめとする心血管イベント発症リスクを亢進させることが知られている。そこで本年度は、日本人高血圧患者における24時間血圧変動とET関連遺伝子多型との関連を解析した。 本態性高血圧患者334名を対象とし、24時間血圧を30分間隔で測定した。対象者の睡眠時と覚醒時の平均収縮期血圧差を比較し,「24時間血圧計の使用基準に関するガイドライン」に従って、睡眠時に10%以上の低下が見られた例をDipper、10%未満の低下であった例をNon-Dipperとした。ET関連遺伝子(EDN1、EDN2、ECE1、ECE2、EDNRA、EDNRB)のタンパク質コード領域とプロモーター領域のDNAシークエンスを解析し、新たに同定したSNPと両アレル頻度が5%以上の既知SNPについて、全対象者の遺伝子型をTaqMan PCR法を用いて判定した。 ET関連遺伝子の計19SNPについて、24時間血圧との関連を検討した結果、ECE2遺伝子のRS-2272471多型およびRS-3752904多型が、日本人高血圧患者の睡眠時血圧上昇と相関を示すことが明らかとなった。ET系は血圧日内変動に関わっており、その遺伝子解析から高血圧患者の心血管イベント発症リスクを予見できる可能性がある。
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