2008 Fiscal Year Annual Research Report
フラボノイドによる血管内皮細胞に対する単球接着作用に関する研究
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20700592
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
谷 真理子 Ochanomizu University, 生活環境教育研究センター, 研究機関研究員 (90452028)
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Keywords | フラボノイド / 血管内皮の活性化 / 接着分子 / 単球接着 / 抗炎症作用 |
Research Abstract |
動脈硬化の発症過程において、単球の血管内皮に対する接着は、マクロファージへの分化・泡沫化を誘導することから重要な制御段階であると考えられている。冠動脈疾患予防効果が示唆される地中海式食事では、レモンをはじめとする柑橘類の摂取が多く、柑橘類は様々なフラボノイドを含むことからその抗動脈硬化作用に注目が集まっている。本研究は、動脈硬化予防に寄与する食品成分としてフラボノイドに着目し、末梢での血流を想定した流速下で、フラボノイドによる単球の血管内皮細胞に対する接着抑制作用を検討した。 ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)にTNFαと、フラボノイドアグリコンであるeriodictyolとhesperetinを処理した。単球系細胞THP-1のHUVECに対する接着作用を、フローチャンバーを用いて、シアストレス1.0 dyne/cm^2の流速下で検討した。eriodictyolとhesperetinは、TNFαで活性化したHUVECに対するTHP-1細胞の接着を有意に抑制した。また、細胞接着分子の発現をウェスタンブロッティング法で確認したところ、これらのフラボノイドはTNFα活性化によるHUVECでのICAM-1、VCAM-1の発現も有意に抑制した。さらに、その抑制作用機序として、IkB分解抑制を介したNFkBへの活性化抑制が示唆された。
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