2008 Fiscal Year Annual Research Report
有明海周辺地域特有の細菌性食中毒「バルニフィカス感染症」の新規治療方法の開発
Project/Area Number |
20700594
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University Junior College |
Principal Investigator |
田代 幸寛 Seinan Jo Gakuin University Junior College, 生活創造学科, 講師 (90448481)
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Keywords | ファージセラピー / ビブリオ・バルニフィカス / 細菌性食中毒 |
Research Abstract |
本研究では、有明海の風土病として認識されている細菌性食中毒ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)感染症の新規な生物学的治療方法として「ファージセラピー」の開発を目的としている。平成20年度に実施した研究内容は下記の通りである。 1、 ビブリオ・バルニフィカス感染性バクテリオファージの分離および性状解析 有明海の底泥からV.vulnificus NBRC 15645^Tに感染するバクテリオファージ4株を分離し、プラークの直径はいずれも2-3mmであった。また、他のV.vulnificus株(K株、F株、MY株)への分離バクテリオファージの宿主特異性を検討したところ、いずれもNBRC15645^T株にのみ特異的に感染することが明らかになった。 2、 分離バクテリオファージのゲノム抽出 分離バクテリオファージ4株よりLambda Mini Kit(QIAGEN製)を用いてゲノム抽出を行ったところ、いずれも0.20ng/μL以下の収量であった。 3、 分離バクテリオファージの溶菌曲線の作成 分離バクテリオファージのV.vulnificus NBRC15645^T株を宿主とした溶菌曲線をBio-Photorecorder[○!R]TVS062CA(タイテック製)により作成した。いずれのファージにおいても溶菌が示されたが、完全に溶菌することはなかった。 4、 分離バクテリオファージの電子顕微鏡観察 分離バクテリオファージの電子顕微鏡による観察を行ったところ、横幅約200nm、高さ約800nmであった。
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Research Products
(15 results)