2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝に及ぼす食事中ミネラルの影響に関する分子栄養学的研究
Project/Area Number |
20700598
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
勝間田 真一 Tokyo University of Agriculture, 応用生物科学部, 助教 (10424681)
|
Keywords | 高リン食 / 副甲状腺ホルモン / 骨代謝 / 遺伝子発現観察 |
Research Abstract |
高リン(P)食投与により副甲状腺ホルモン(PTH)分泌亢進による骨量低下が引き起こされることをすでに報告している。また、週齢の異なるマウスを用いた研究より、幼若、成熟マウスと比較し、高齢マウスにおいて高P食投与の影響が強いことを報告している。そこで本実験では、週齢の異なるマウスに高P食を投与し、大腿骨および十二指腸中の各種骨代謝関連遺伝子のmRNA発現量について検討した。被験動物として12および80週齢ddY系雄マウスを用い、各週齢マウスを正常食(0.3%P)群と高P食(1.2%P)群の2群に分け、4週間の飼育観察を行った。mRNA発現量はTaqMan probeを用いたReal-time PCR法により解析を行った。血清中PTH濃度は両週齢マウスにおいて高P食投与により有意に高値を示し、高P食投与群間において12週齢マウスに比較し、80週齢マウスで有意に高値を示した。十二指腸におけるECaC2、CaBP9k、PMCAIb mRNA発現量は両週齢マウスにおいて高P食投与により有意に高値を示し、ECaC2およびCaBP9k mRNA発現量は高P食投与群間において12週齢マウスに比較し、80週齢マウスで有意に低値を示した。大腿骨におけるRANKL mRNA発現量は両週齢マウスにおいて高P食投与により有意に高値を示し、正常食投与群間ならびに高P食投与群問において、12週齢マウスに比較し、80週齢マウスで有意に低値を示した。また、RANKL mRNA/OPG mRNAは12週齢マウスにおいて高P食投与の影響はみられなかったが、80週齢マウスにおいて高P食投与により有意に高値を示した。以上より、PTH分泌の増加、OPGに対するRANKLのmRNA発現量の増加、カルシウム吸収に関係するmRNA発現の低下が高齢マウスにおいて高P食の影響が強く表れた原因と考えられた。
|