2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700603
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
北森 一哉 Kinjo Gakuin University, 生活環境学部, 講師 (80387597)
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Keywords | NAFLD / NASH / 高脂肪食 / 炎症 |
Research Abstract |
非アルコール性脂肪性肝疾患(KAFLD)は、脂肪肝(NAFL)から非アルコール性脂肪肝炎(NASH)までを幅広く含む病態である。NAFLDを疑うことは血中の生化学的な検査値や画像診断の結果から可能である。しかし、いまだ、NAFLとNASHとの鑑別は難しく、その鑑別には肝生検組織像が必須である。NAFLD患者は急増しており、早急な対応が望まれるが、その対策は遅れている。その理由の一つとして、これまで、適切なモデル動物がいなかったことがあげられる。 SHRSP5/Dmcr、通称Arteriolipidosis-prone rats (ALR)は脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHRSP)の亜系統であり、金城学院大学のSPF施設で、系統維持している。この動物にHigh Fat Cholesterol (HFC) dietを自由摂取で与えた。この手法により、NASHのほぼ全ての進行段階を餌の摂取期間を変えることにより、確認してきた。 組織像を観察したところ、脂質の沈着と共に、炎症性細胞の浸潤が確認された。そこで、摂餌期間、短期、中期、長期において、血清中の炎症マーカーをそれぞれ測定した。TNF-αは、HFC食の短期間の摂取により、コントロール食に比較し高値を示した。更に、摂取期間が長くなるにつれて、その値は上昇した。また、アディポネクチンはTNF-αとは逆に、HFC食の短期間の摂取により、コントロール食に比較し低値を示した。更に、HFC摂取期間が長くなるにつれて、その値は減少した。インスリンに関してはHFC摂取期間による変化は認められなかった。 肝障害の進行と共に炎症性マーカーは高値を示し、NASHにおける肝障害の進行と炎症との関連性を示唆した。
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