2008 Fiscal Year Annual Research Report
腸管マクロファージのCD14発現制御機構に関する研究
Project/Area Number |
20700607
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Research Institution | Hagoromo International University |
Principal Investigator |
中田 和江 Hagoromo International University, 人間生活学部, 助教 (60411740)
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Keywords | 栄養学 / 免疫学 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
腸管マクロファージの機能解析は、機能性食品の効果発現解析やクローン病や潰瘍性大腸炎などの慢性炎症性腸疾患の発症機序解明・予防法開発に重要な鍵となると考えられるが、その機能はほとんど明らかになっていない。本研究では腸管マクロファージの機能解析として、研究代表者らが発見したIgA処理によるLPS応答性回復について、その分子機構をCD14の発現制御に着目して究明することを目的とした。CD14は40kDのタンパク質に糖鎖などが付加し、約55kDのタンパク質として検出される。そこで、腸管マクロファージに付加される糖鎖等が異なることが発現抑制の制御と関連している可能性を考え、今年度は、CD14タンパク質の分子量についてウェスタンブロッティングを用いて検討した。この結果、腸管マクロファージと腹腔マクロファージのCD14タンパク質の分子量では約5〜10kD異なることが明らかとなった。また、マクロファージ培養細胞株であるRAW264.7をコントロールに用いた結果、RAW264.7では2本のCD14タンパク質のバンドが確認され、それぞれのバンドの位置が腸管マクロファージもしくは腹腔マクロファージのバンドとほぼ同様の位置にあることが確認された。これらの結果から、それぞれのCD14タンパク質のバンドは細胞内発現型または細胞膜発現型であることが考えられた。一方、CD14と共発現しているTLR4/MD2の発現調節に関与しているシャペロンタンパク質のgp96の発現に関しては、プライマーを作成し遺伝子の発現を調べる予定としていたが、抗gp96抗体を入手し、タンパク質の発現について解析を行った。この結果、腸管マクロファージでは腹腔マクロファージと同様にgp96が発現していることが明らかとなった。以上より、腸管マクロファージのCD14発現制御には、特にタンパク質の分子量の差異に関わる因子が重要であることが示唆された。
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