2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおける食塩感受性と肥満進展との関連性
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20700608
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
安井 菜穂美 武庫川女子大学, 薬学部, 助教 (70399145)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 食塩 / 腎障害 |
Research Abstract |
本研究では、肥満・高血圧を自然発症するメタボリックシンドロームモデル動物SHRSP.ZFを用い、食塩感受性とメタボリックシンドロームの関連を検討した。SHRSP.ZFは脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)にZucker fattyラットのレプチン受容体遺伝子変異を導入したコンジェニックラットであり、若週齢より肥満および高血圧を自然発症する。8週齢雄性SHRSP.ZFに食塩を4週間飲水投与し、食塩のメタボリックシンドローム病態への影響をしらべた。SHRSP.ZFの痩せ型同腹子(Lean)にも同様に食塩を与えた。SHRSP.ZFおよびLeanは親系統であるSHRSP同様、加齢に伴う血圧上昇がみられるが、SHRSP.ZFでは、食塩摂取によってその血圧変化はさらに大きくなり、メタボリックシンドロームにおいて食塩感受性が助長されることが確認された。また、SHRSP.ZFでは、尿中アルブミン排泄量および組織中TNFa濃度がLeanに比較して高値であり、肥満による腎障害の進展が示唆された。 メタボリックシンドロームの進展に脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンやMonocyte Chemoattractant Protein-1(MCP-1)、TNF-alpha(TNFa)などのアディポサイトカインが影響を与えていることが報告されている。SHRSP.ZFにおいては、血中アディポネクチンがLeanと同程度であった。一方、血中MCP-1はSHRSP.ZFで上昇がみられた。SHRSP.ZFの脂肪細胞を培養し、その培養上清中のMCP-1分泌量をLeanと比較すると、同程度であった。腎障害の発症・進展機序として、アディポサイトカインの影響が考えられるが、本研究では脂肪由来のMCP-1との関与はみられず、また別の機序の影響も考えられる。
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Research Products
(2 results)