2009 Fiscal Year Annual Research Report
柑橘類の機能成分のカテコールアミン神経系へ及ぼす影響
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20700611
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
坂巻 路可 Seinan Jo Gakuin University, 保健福祉学部, 准教授 (80389486)
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Keywords | 神経系 / カテコールアミン / アセチルコリン / 副腎髄質細胞 / フラボノイド / オーラプテン |
Research Abstract |
ヒト生体内における柑橘類中機能成分(フラボノイド、カロテノイド、リモノイド等)の生理活性機能に関しては、抗酸化作用、がん細胞の湿潤・転移抑制作用、脂質代謝の改善などに注目が集まっている。柑橘類には鎮静作用等があることが言われているが、神経系への作用に関する系統立てた研究は極めて少ない。本研究では、神経機能に作用する柑橘類中の機能成分を同定し、作用機序を多角度から検討する。 本年度は、昨年に引き続き柑橘類中の機能成分の作用について細胞レベルで検討を行った中で効果が認められた成分に焦点を絞り、前年度の追試及び画像解析等により、神経系への作用について詳細な検討を試みた。 1. 柑橘系機能性成分について、カテコールアミン分泌への影響を検討する実験を行ったなかでNomilin、Auraptene、Limoninはアセチルコリン受容体刺激によるカテコールアミン分泌を抑制し、抑制作用はNomilin>Auraptene≧Limoninであることが示された。 2. Nomilinは、ニコチン性アセチルコリン受容体刺激によって引き起こされるカテコールアミン分泌と<45>^Ca^<2+>流入を濃度依存的(10-100μM)に抑制し、[Ca^<2+>]_i変動も抑制した。電位依存性Naチャネル、電位依存性Caチャネルの活性化によって引き起こされるカテコールアミン分泌と<45>^Ca^<2+>流入も抑制した。電位依存性Caチャネルの活性化によって引き起こされる[Ca^<2+>]_i変動は抑制が認められなかった。 3. NomilinはNoradrenalin transporterを介した[3^H]NA取り込みを濃度依存的(10-100μM)に抑制した。 以上の結果及び昨年度の結果より、柑橘系リモノイド類であるノミリンやクマリン類のオーラプテンはニコチン性アセチルコリン受容体等のイオンチャネルを阻害することによりカテコールアミン分泌を抑制することが示唆された。
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