2009 Fiscal Year Annual Research Report
機能性ポリフェノールが糖・脂質代謝に及ぼす作用の解析
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20700612
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Research Institution | Yonezawa women's junior college |
Principal Investigator |
倉兼 静江 Yonezawa women's junior college, 健康栄養学科, 助手 (20442014)
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Keywords | ポリフェノール / サルナシ / 糖尿病 / 肥満 / KK-A^yマウス / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
サルナシポリフェノールに、ラットにおけるデンプンまたはマルトース負荷後の血糖値上昇抑制作用とα-グルコシダーゼ阻害作用が確認されたため、2型糖尿病モデルであるKK-A^yマウスを用いて、サルナシポリフェノールの抗肥満ならびに抗糖尿病作用を検討した。5週齢のKK-A^yマウスを1週間予備飼育した後、対照群とサルナシポリフェノール群に分け、6週間飼育した。その結果、飼育5週目に行った耐糖能試験(OGTT)では、ブドウ糖負荷後30,60分後の血糖値上昇が有意に抑制された。インスリン抵抗性指数であるHOMA-Rは抑制傾向にあり、インスリン抵抗性の改善因子と考えられる高分子量アディポネクチンは増加傾向にあった。また、糖新生の律速酵素であるグルコース-6-ボスファターゼが有意に抑制された。さらに、DNAマイクロアレイによる肝臓の遺伝子発現解析を生活習慣病に関連する糖・脂質代謝に関する遺伝子を搭載したフォーカストアレイを用いて行った。その結果、321遺伝子中4遺伝子の発現が0.5倍以下に減少し、1遺伝子が1.5倍以上に増加した。特にインスリン抵抗性を惹起するケモカインであるMCP-1の遺伝子発現が抑制されていた。以上の結果から、サルナシポリフェノールの摂取はインスリン抵抗性を改善し、糖新生の抑制、α-グルコシダーゼ阻害による血糖値上昇抑制作用による抗糖尿病作用を示すことが示唆された。
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