2009 Fiscal Year Annual Research Report
リムルス試験を用いたミネラルウォーター類水源における細菌汚染評価法の確立
Project/Area Number |
20700616
|
Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
大西 貴弘 National Institute of Health Sciences, 衛生微生物部1室, 厚生労働技官 (30321855)
|
Keywords | ミネラルウォーター / 水質 / 細菌汚染 / リムルス試験 / エンドトキシン |
Research Abstract |
今年度は昨年度に確立したリムルス試験を用いたミネラルウォーターの水源における細菌汚染検出法を用いて、実際に市販されているミネラルウォーの細菌汚染のスクリーニングを行った。サンプルとして使用した国産ミネラルウォーターは41銘柄で、原水の分類は温泉水、鉱水、鉱泉水、地下水、深井戸水、水、湧水、不明に分かれた。pHは7以上9未満に集中していた。硬度は半数が50以下であった。 国産ミネラルウォーターは41銘柄中3銘柄が非殺菌のヨーロッパ産ミネラルウォーターの約4.8~14倍、水道水の約2.5~7.7倍という非常に高いエンドトキシン濃度を示した。非殺菌のミネラルウォーターには原水中の細菌が正常に増殖した結果として約10^3から10^6cfu/mlの生菌が含まれているとの報告があることから、非殺菌のヨーロッパ産ミネラルウォーターを大きく上回るエンドトキシン濃度を示すこの3銘柄の製造過程に何らかの異常があり,非常に高い菌数のグラム陰性菌が存在していたことが示唆された。そこで、大腸菌数とエンドトキシン濃度の関係を表す回帰曲線を作成したところ、この3銘柄のエンドトキシン濃度は約8.9x10^3~2.2x10^4cfU/mlの大腸菌数に相当した。最終的にこれら3銘柄中1銘柄からPCR法によって大腸菌群の遺伝子を検出することができた。なお、ミネラルウォーターの原水の分類、pH、硬度の違いによる特別な汚染傾向は見られなかった。以上の結果から、今回確立した方法でスクリーニングを行うことにより、ミネラルウォーターにおける殺菌・除菌前の細菌汚染を効率的に検出できることが明らかとなった。
|