2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700617
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
佐藤 夏子 Azabu University, 環境保健学部, 准教授 (30398888)
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Keywords | 肥満 / 概日リズム |
Research Abstract |
体内時計遺伝子の異常が、肥満や生活習慣病に関与していることが動物モデルを用いた研究により報告されている。「食事」は体内時計を正常に作動させる外的因子の一つであることも示されているが、食生活リズムと肥満との関連について実験的な知見は少ない。そこで本研究では、ob/obマウスの食餌摂取時間帯を調節し、肥満との関連性を明らかにすることを目的とした。本研究では、マウス用摂餌量測定装置を用いた。この装置は、餌の摂取量及び行動量を24時間連続で計測できる。この装置を用いてob/obマウスに暗期のみ餌を摂取させる群(暗期群)、及び明期のみ餌を摂取させる群(明期群)を設定した。通常の飼育ケージにおいて自由摂取させる群(自由摂取群)を対象群とし、7ヶ月間飼育した。その後、解剖を行い、血液を採取した。血液から血糖値を測定した。さらに脾臓、胸腺、肝臓、腸管膜脂肪を採取し、重量を測定した。体重は、食餌時間調節後2か月間は低値傾向を示したが、最終体重は3群間で有意な変化は認められなかった。血糖値及び臓器重量においても有意な差は認められなかった。一方行動量においては、明期群では、暗期群と比較して明期と暗期の行動量の差が小さく、また24時間の合計行動量が少ない傾向であった。 食事時間の調節による行動パターン及び行動量の変化は、ob/obマウスの内分泌系の異常に影響している可能性があり、今後の解析が必要である。
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