2009 Fiscal Year Annual Research Report
技術教育担当教員の考える「目標」「方法」に準拠した技能学習の方法論的研究
Project/Area Number |
20700618
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷田 親彦 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 講師 (20374811)
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Keywords | 技術教育 / 技能学習 / 教員調査 |
Research Abstract |
前年度に引続き,技術科担当教員の技能学習に対する意識を探索するために以下の調査を行った。ひとつは,技術科担当教員の意識を相対的に検討するために,技術教育専攻学生に対して技術教育の「目標」と「内容」に関する調査を行った。もうひとつは,技術科教員の意識を詳細に検討するために,事例的研究手法であるPAC分析を用いて,技術科の学習指導要領改訂に関する調査を行った。 分析の結果は,以下のようにまとめることができる。 技術教育専攻学生は,(1)「技術教育の内容」を,6つのまとまりとして捉えており,技術と〈社会・安全〉に関わる内容の重要度が高く,〈評価・活用〉や〈手順・設計〉に関わる学習内容の重要度が低く示された。(2)「技術的素養」は,3つに類型することができ,[社会的活動の能力]や[評価的活動の能力]と比較して[技術的活動の能力]の重要度が最も高く示されていた。(3)〈評価・活用〉の学習内容は,「技術的素養」に対して大きく貢献する学習内容であると考えられていた。一方で,〈情報処理・利用〉の学習内容は,「技術的素養」との関連性が希薄であることが示された。 技術科教員の学習指導要領改訂に対する意識には,(1)指導経験のない学習内容への不安,実践への懸念と改訂への肯定的態度,理念的な充実と授業実践の剥離など,があった。(2)共通する否定的意識として,幅広い学習内容が必修化されたにもかかわらず授業時間が増加されないことへの不満や,新たに必履修となった「生物育成に関する技術」の学習指導や環境整備への懸念などが示された。(3)ものづくりを中心として学習内容が構成されたことに伴う「情報に関する技術」の変更点は,肯定的に受け止められていることがわかった。
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Research Products
(4 results)