2008 Fiscal Year Annual Research Report
排熱を利用した学生実験用ヒートポンプシステムの構築
Project/Area Number |
20700629
|
Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
本間 寛己 Matsue National College of Technology, 機械工学科, 講師 (40413827)
|
Keywords | 科学教育 / 工学教育 / 環境教育 / 熱工学 / 廃熱利用 |
Research Abstract |
本研究では現在ほとんど未利用のまま放出されている100℃以下の低温度レベル廃熱を利用することを想定した, 学生実験用熱エネルギー評価システムの構築を目的としている. 本年度は実験学習システムとして, 低温度レベルの熱エネルギーを駆動源にして冷熱を生成する熱駆動型ヒートポンプシステムを考案し製作を行った. システムの中核である熱駆動型ヒートポンプは吸着式とし, 吸着剤にはシリカゲル, 冷媒には水を用いた. 実験学習に適したシステムとするため, シリカゲルはフィンチューブ型の吸着モジュールを製作し, そこに充填した. 一般的な充填層型の場合, 熱および物質移動特性が悪いため効率が悪く, 装置が大型化してしまう. 加えて, ヒートポンプのサイクル切り替え時間が長時間化するため限られた授業時間中での実験回数が少なくなってしまう. 一方, 本方式であれば, 熱および物質移動特性に優れているためサイクル時間を短時間にすることができ, 実験回数を多くすることができる. また, フインチューブをモジュール化して交換が容易に行えるようにしたため, フィン形状等の条件を変えて実験することも可能である. 本年度は製作した実験学習システムの評価として, 熱源温度とサイクル切り替え時間を変化させたときの出力の変化を測定した. なお, 吸着器に取り付けた吸着モジュールのフィン形状は管径12.7mm, フイン高さ10mm, フインピッチ4mmであり, シリカゲルが172g充填されている. 熱源温度を70, 80, 90℃の場合について, 最も出力が大きくなるサイクル時間を調べた結果, 3〜5分であることが分かった. 装置製作および装置評価に携わった学生は, 温熱から冷熱を生成できることに驚き, 興味深く取り組んでいた. また, 熱エネルギーの有効利用について高い関心を持たせることができたと思われる.
|