2009 Fiscal Year Annual Research Report
排熱を利用した学生実験用ヒートポンプシステムの構築
Project/Area Number |
20700629
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
本間 寛己 Matsue National College of Technology, 機械工学科, 講師 (40413827)
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Keywords | 科学教育 / 工学教育 / 環境教育 / 熱工学 / 廃熱利用 |
Research Abstract |
本研究では100℃以下の低レベル熱源を駆動熱源とする学生実験用熱駆動型ヒートポンプシステムを構築する.そして,システムを活用することによる教育効果の評価として,学生の熱エネルギーの有効利用についての理解度を調査することを目的としている. 本年度は昨年度に構築した,熱駆動型ヒートポンプ実験システムの改良から行った.システムの中核は,シリカゲルー水吸着式ヒートポンプであるが,装置の耐久性の問題があったため,材質と設計を見直して再製作を行った.また,簡易型の吸着等温線測定装置を製作して,シリカゲルの静的な吸着特性の評価を行えるようにした. 構築したシステムは学生実験の中で活用して,廃熱利用の有効性を学生に教授した.その際にはメリットだけでなく,初期コストが掛かるなどのデメリットも解説して,学生に総合的に考えさせるようにした.実験後には廃熱利用システムのメリットとデメリットの両面から意見を述べさせるアンケートを実施した.廃熱利用システムの存在を知っていたかを問う質問から,ほとんどの学生は本実験で初めて知ったことが分かった.また,廃熱利用システムについての意見を述べさせる質問では,初期コストの大きさに対する否定的な意見も有ったが,6割の学生は普及を望んでいることが分かった. アンケート結果では,本システムのような熱利用の方法を知ったことへの喜びや,現在の地球環境と照らし合わせて早期の普及を望む意見もあり,本システムが効率の良い熱エネルギー利用や環境に対する学生への意識付けに効果的であることが確認できた.
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