2009 Fiscal Year Annual Research Report
地域伝統芸能伝承のための「こころ・指導プロセス」をふまえた教材の開発
Project/Area Number |
20700643
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
松田 浩一 Iwate Prefectural University, ソフトウェア情報学部, 講師 (70325926)
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Keywords | 加速度センサ / 重心移動 / 郷土芸能 / 技能 |
Research Abstract |
本研究では,地域伝統芸能における「わざ」を伝承する際に,指導者の動作や映像を見ただけでは「分かりにくい・伝えにくい」要素の抽出・伝達手法の確立を目標とし,意識によって変化しているが,客観的には判別しがたい要素の可視化を試みている.本年度は,ソーラン節の櫓漕ぎに着目し,その表現の中心となる体重移動について分析を行い,その比較評価方法について検討した.指導者は,「腰の充実感」という感覚的な表現で説明をしているが,その「充実感」を学習者が見ることは不可能である.この充実感とは,腰部の緩急に関係していることが議論の中で分かり,加速度センサを腰部に付けて数回踊り,過去に踊ったときの映像と加速度波形を比較した. 映像だけを比較すると,指導者は,その違いにすぐに気づくことはできず,何度も繰り返し見ることで少しずつ違いに気づいたが,加速度波形にははっきりとした違いが出ていた.「腰が充実」しているときは,瞬間的な移動によって非常に細く大きいパルス形状が出ており,細さがその瞬間的な鋭さを表し,大きさがその強さを表していることが分かった.また,それらのデータを人ごとに自動的に抽出し比較するため,「腰が充実」する直前の脱力(ため)に着目した.この脱力は大きな力を出す際の準備で,拍と拍の間に存在し,これが加速度ベクトルの大きさによって判断できることが分かった.脱力を起点とし,次の脱力までの波形を切り出し,複数のデータの「腰が充実」しているタイミングの違いや相関係数によって比較を行う手法,およびその可視化方法を提案した.その結果,タイミングの捉え方の違いや充実の量などを比較することができた.
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Research Products
(3 results)