2009 Fiscal Year Annual Research Report
大学教育で必要な数学能力習得のための誤り修正支援付適応型学習支援システムの構築
Project/Area Number |
20700650
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Research Institution | Tama University |
Principal Investigator |
大森 拓哉 Tama University, 経営情報学部, 准教授 (80332617)
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Keywords | テストレット / 適応型テスト / ベイジアンネットワーク / IRT / e-ラーニング |
Research Abstract |
本研究では、大学生の数学の能力に関して、どこまで理解しているか、どこでつまづいているかを診断し、適切なアドバイスを与えて習得を促す学習支援システムの研究を行った。本研究にて取り扱う分野を、単元や小テーマごとに分け、それらの項目間に従属関係を設定し、それらの関係を因果推論モデルであるベイジアンネットワークモデルを用いて表現し、適応型テストシステムを作成した。このシステムは単なる評価システムではなく、学習者の理解状態を各レベルごとに確率で表現し、誤り修正のための適切なアドバイスを与える機能も備えことによって、より実際的にも有効なシステムであることが確認された。 本年度は特に以下の5項目について行った。 1.推論計算アルゴリズムの作成 学習者に問題を出し、回答を得、適切な支援を与えるシステムプログラムを作成した。ベイジアンネットワークによる推論アルゴリズムを基礎とするが、テストレット形式の問題を取り扱うことができるよう、小ネットワークを一つのノードとして扱うアルゴリズムを開発した。 2.誤り修正支援のための情報提示項目の検討 学習者の誤りや思い違い(バグルールなど)が見受けられた場合、その誤りを修正するための適切なメッセージやアドバイスを自動表示する機能を備えるための情報提示やメッセージが適切であるかを検討した。大学生の被験者により、効率のよい誤り訂正の情報内容・提示の仕方を確認した。 3.Web上への実装 構築したシステムをWeb上に実装した。 4.システムの評価実験 大学生を被験者とし、システムの有用性について評価実験を行った。 5.従来のIRT法との比較 従来の項目反応理論(IRT)では扱えなかったテストレット形式の問題について新たなモデルを設定し、従来法との比較を行った。 これらの成果については、国内外の学会において発表を行った。
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