2008 Fiscal Year Annual Research Report
組織論・学習論を援用した実験系ラボラトリーにおける知識生産実践のエスノグラフィ
Project/Area Number |
20700661
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 泰信 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 知識科学研究科, 准教授 (40369864)
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Keywords | 文化人類学 / 知識社会学 / 科学技術社会論 |
Research Abstract |
本研究は、組織論や学習論の視角を援用しながら、実験系のラボラトリー(ラボ)における科学的な知識生産の営みを記述・分析することを目的とするエスノグラフィ研究の試みである。研究代表者と同じ大学院に属するバイオ系・実験系のラボの協力を仰ぎつつ、教員・院生・研究員・事務職員等へのインタビュー、実験室活動の観察などの調査を実施した。 本年度ではとりわけ、外部環境(制度)とラボ組織との関係という視点から「成功」しているラボを把握しようとする試み、研究開発マネジメントの議論を援用して科学研究を捉える試み、ラボ組織の時間軸のミクロな変化についての事例分析の試みなど、ラボの現場、またそこで生起する事象を注意深く検討しつつ、本研究の目的を達成するべく、対象の把握・分析に努めた。その成果は、研究代表者が編集した小冊子『ラボラトリー=スタディーズをひらくために-日本における実験系ラボを対象とした社会科学研究の試みと課題』(JAIST Press、2009年3月31日)における4つの章、すなわち、「第3章実験系ラボラトリーにおける諸活動把握のための組織社会学的メモランダム-組織形態比較を中心に」、「第4章実験系ラボラトリーにおける電子化ツール導入の事例から-ラボ運営の理解の一助として」、「第5章実験系ラボラトリーの研究における不確実性をめぐって-予備的覚え書き」、「第6章大学における実験系ラボラトリーの「のれん分け」に関するノート-微視的事例分析」にまとめられた。
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