2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700666
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Research Institution | The National Museum of Modern Art, Tokyo |
Principal Investigator |
板倉 史明 The National Museum of Modern Art, Tokyo, フィルムセンター, 研究員 (20415623)
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Keywords | 映画 / フィルム / 復元 / 保存 / 可燃性 / アーカイブ |
Research Abstract |
1)可燃性フィルムに対して近赤外線分析器を使用し、劣化度合いの測定や、可燃性フィルムか不燃性フィルムかの弁別等についての実験を実施した(実験器機については日本ビュッヒ株式会社の協力を得た)。 2)『女ひとり大地を行く』(亀井文夫監督、1953年)の可燃性マスターポジ・フィルムから、『女ひとり大地を行く』の「最長版」のポジプリントを復元することによって、可燃性フィルムの歴史と適正な復元方法について検討した。その成果は、論文「『女ひとり大地を行く[最長版]』の復元」(『東京国立近代美術館研究紀要13号』東京国立近代美術館、2009)として公刊された(調査・復元にあたっては有限会社独立プロ名画保存会の協力を得た)。 3)映画復元に関するイタリア語とフランス語の重要論文を専門家の方々に翻訳してもらうことによって、可燃性フィルムを復元する際の倫理的問題にういての理論的基盤を補強することができた(フランス語文献については横田靖典氏に、イタリア語文献については柴田幹太比に御願いした)。 4)可燃性フィルムを元素材とする最良のデジタル復元の作業フローを検討するため、『紅葉狩[日活版]』(柴田常吉、1899年)を素材として、スキャニング・修復・レコーディングの観点から検討した(株式会社IMAGICAの協力を得た)。
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