2008 Fiscal Year Annual Research Report
方向感覚のトレーニング:地理的スケールでの空間的思考とその訓練可能性
Project/Area Number |
20700669
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 徹 The University of Tokyo, 大学院・情報学環, 准教授 (70436583)
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Keywords | 認知・行動地理学 / 空間認知 / 空間的思考 / 方向感覚 / トレーニング・教育 / 認知地図 / 空間能力 |
Research Abstract |
本研究は, 大規模空間における空間的思考能力の問題について, 効果的な教育・訓練の方法,および能力の向上性に焦点を当て, 行動実験を通して実証的に分析をおこなうことを大きな目的とする。また, 基礎的空間能力に関する理論的問題および地理学教育への応用可能性という視点も同時に持ちながら研究を進める。 本年度は, 大規模空間での認知地図獲得の問題, とくに空間能力・方向感覚のトレーニングに関する既存研究の調査をおこない, 有効と考えられる空間的思考の教育・訓練方法について考察した。さらに並行して, 各個人の空間能力や学習法の傾向といった基本的属性を調べる方法についても, 知識の取りまとめをおこなった。 大規模空間における認知地図獲得に関する能力の教育・訓練については,心理計量テストで測られる一般的空間能力については, 集中的な訓練によりある程度の向上がみられることを示す研究がいくつかあるが, その効果は特定の空間能力テストについてのみしか現れない傾向がある。また, 一般に方向感覚と呼ばれるものが密接に関係していることもわかっており, 空間のとらえ方については1次元的に個々のランドマークやルートの連続としてとらえるタイプの人と, 2次元的に相互の位置関係を把握するタイプの人がおり, 方向感覚の高い人は後者の能力に優れていることが知られている。 これらのことを考え, いかにすれば方向感覚を伸ばすことができるのかについて, これらの研究の手法や結果を, 大規模空間での方向感覚(とくにサーベイ的知識の獲得と空間的思考)の問題に応用することが本研究の最終的目標である。
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Research Products
(2 results)