2009 Fiscal Year Annual Research Report
1kmメッシュシミュレーションによるアジア地域の二酸化炭素収支解析
Project/Area Number |
20710018
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐々井 崇博 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 助教 (70443190)
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Keywords | 炭素循環 / リモートセンシング / 炭素フラックス / 純一次生産量 / 陸域生物圏モデル / 純生態系生産量 / 炭素吸収源 / 物質循環 |
Research Abstract |
今年度は、研究実施計画どおり、1) 地域スケール解析に必要な大気圏・生命圏・地圏データの入手・整理、2) 地域スケール解析に必要な大気圏・生命圏・地圏データの評価、3) 「1kmメッシュのモデルシミュレーションによるCO_2収支推定と要因解析、の作業を行った。 1) データ収集したMODIS f PAR・LAIプロダクトの整備、及び気象データのダウンスケーリング作業を行い、最低限モデル計算に必要なデータを2001年から2006年まで整備した。今後は、LSTやアルベドなどのデータも順次整備予定である。 2) データ評価は、主にフラックスタワーで観測された気象・植生パラメータを対象とした。いずれのパラメータも絶対値やピーク値、展葉期・落葉期の時間変化パターンに差は見られたが、そのほとんどがパターンを再現していると確認できた。両者の差が炭素フラックスに与える影響を評価することが今後の課題である。 3) 炭素収支量の計算を行うために、昨年度から引き継いだデータ整備とモデル計算までを行った。計算結果は、空間パターン、時間パターンともにうまく再現できた。要因解析の一例として2003年冷夏時の日射量とGPPのアノマリーを解析した。結論として、梅雨前線の長期停滞が日射を遮り、植生の光合成活動が抑制され、GPPが例年よりも大きく低下したことがわかった。今年度の結果を受けて、来年度以降は、更なる要因解析や植生分類図の評価、モデル入力データの更新などに着手する。そして、研究目的である「都道府県・地方自治体単位での陸域生態系による炭素収支量の評価」や「日本・韓国二国間での炭素収支量の違い」まで行う予定である。
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[Journal Article] Impact of meteorological anomalies in the 2003 summer on Gross Primary Productivity in East Asia2010
Author(s)
Saigusa N., K.Ichii, H.Murakami, R.Hirata, J.Asanuma, H.Den, S.J.Han, R.Ide, S.G Li, T Ohta, T.Sasai, S.Q.Wang, GR.Yu
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Journal Title
Biogeosciences 7
Pages: 641-655
Peer Reviewed
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