2009 Fiscal Year Annual Research Report
南極アイスコアの生物学的解析と古環境復元に関する研究
Project/Area Number |
20710020
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Research Institution | Transdisciplinary Research Integration Center |
Principal Investigator |
植竹 淳 Transdisciplinary Research Integration Center, 新領域融合研究センター, 融合プロジェクト特任研究員 (40455473)
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Keywords | 南極 / アイスコア / 風送微生物 / 好冷性微生物 |
Research Abstract |
南極アイスコア中に含まれる微生物は、氷期間氷期サイクルなどの過去の気候変動と連動して変化している可能性があり、これら微生物の多くは、南極大陸外の陸域から風により飛来してきたものと考えられる。昨年度の研究結果から、蛍光顕微鏡による直接観察での球状バクテリア濃度が南極外から飛来してきた鉱物粒子量が非常に多い層と一致する事、糸状の放線菌様のバクテリア濃度が鉱物粒子層との一致が見られない事から、風送微粒子と共に飛来してきた可能性は低いと考えられた。また好冷性微生物が現地で増殖していた可能性も、ドームふじ基地が非常に寒冷な環境である事から、非常に低いと考えられた。今年度は、よりアイスコア中のバクテリア濃度の定量性を向上させる為に、共焦点レーザー顕微鏡を用いた蛍光色素の波長特性を検出する方法(スペクトル法)を検証し、画像解析ソフトと組み合わせた細胞の自動定量法の開発のため、培養細胞、雪氷試料などを利用して予備実験を実施した。その結果、SYBR GreenIおよびFM4-64をの2種類を用いてバクテリアの核酸と細胞膜の多重染色、スペクトルの分離が可能である事がわかった。この手法を利用しこれまで分析したサンプルの一部で再分析を行ったところ、約10分の1程度の濃度のバクテリアが観察され、これまでの単一の蛍光色素を用いた研究手法では、細胞濃度を過大評価していた可能性が考えられる。
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Research Products
(5 results)