2008 Fiscal Year Annual Research Report
Th2アジュバント活性定量法を用いたアトピー性皮膚炎の環境要因の評価
Project/Area Number |
20710026
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
東 丈裕 Saitama Medical University, 医学部, 助教 (00468381)
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Keywords | 樹状細胞 / アジュバント / アトピー性皮膚炎 / 母乳 |
Research Abstract |
20年度は、アトピー性皮膚炎(AD)摂取母乳のコホートを用いてアジュバント活性を解析した。 具体的な方法としては、まずTHP-1細胞をPMA50ng/mlで2日間刺激し、Dendriticcell(DC)様細胞(PMA刺激THP-1)を誘導し、AD患児(55例)の生後4日後の母乳及び健常児(55例)の母乳と30分間共培養し、細胞内cAMP)を測定した。母乳は千葉大学大学院医学研究院小児病態学より入手した。我々は以前、PMA刺激THP-1細胞内cAMP濃度はTh1アジュバントでは不変であるが、Th2アジュバントにより上昇することを報告している。今回の我々の母乳を用いた検討では、AD患児群で有意にPMA刺激THP-1細胞内cAMP濃度が高かった。つまりAD患児が生後まもなく摂取した母乳は健常児のそれよりも高いTh2アジュバント活性を有すると考えられた。AD患児の摂取した母乳中のTh2アジュバント活性が高いことは、ADの発症、病態の形成を考える上で、非常に興味深いと考えられ、今後佃の発症予防にも寄与する可能性がある。今後はHPLC等を用いて母乳が有するTh2アジュバントの詳細な検討が必要と考えられる。 また、我々の株化細胞を用いた今回の評価系は定量的手法であり、個体差を排除できかつ手技が簡便であるため、1度に大量のアジュバントをスクリーニングするのに極めて有用であると考えられ、生菌を含むような母乳でも評価しうると考えられる。今後はAD患児が暴露されている環境物質などについても検討が必要と考えられる。
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Research Products
(6 results)