2009 Fiscal Year Annual Research Report
多点での粒子状有害物質モニタリング法の開発と有害物質濃度マップの構築
Project/Area Number |
20710031
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
齊藤 貢 Iwate University, 工学部, 准教授 (20271843)
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Keywords | 粒子状物質 / ベンゾ(a)ピレン / 多点モニタリング / ミクロ繊維シート / パッシブサンプラー |
Research Abstract |
現在行われている大気環境観測はメソスケールでの定点観測によるものであるため、必ずしも住民の生活環境に直結した情報とは言い難い。本研究は、大気中の粒子状有害物質の多点モニタリングに適する簡易型ミクロ繊維シート捕集材(MFS)を用いたオリジナルなモニタリング法を用いて生活環境大気中の多点同時モニタリングを行い、住民の生活環境規模を対象ユニットとするような大気環境情報支援システムを構築することを目的としている。 平成21年度は、MFSを用いた多点パッシブモニタリング法による粒子状有害物質濃度を評価するため、道路網や商業地域、住宅地域など複数の異なる生活空間が共存し、かつ一般大気測定局と自動車排気ガス測定局が近接している「岩手県一関市竹山~三反田地区」(1km×1km範囲)32地点で調査を行った。MFSに捕集される粒子状物質量(PM量)は5月に最大を示し、自排局データおよび同時にサンプリングしたアンダーセンサンプラー(AS)による捕集量と類似の傾向を示すことがわかった。MFSによるPM量は、ASで捕集された11.0μm以上の粗大粒子と高い相関関係を示したことから、MFSは大気中の粗大粒子については充分に捕集されており、簡易モニタリング指標となることが示唆された。また、MFSに捕集されたPM中のベンゾ(a)ピレン、ベンゾ(k)フルオランテンなど5環の芳香族炭化水素類は、ASで捕集された11.0μm以上の粗大粒子中に含まれるそれらと高い相関関係が得られた。 さらに、GISによる濃度マップ作製に先んじて、適切なモニタリング地点の選定について検討した。その結果、高濃度を示す地点付近にはさらに複数のモニタリング点を増設し、低濃度で推移する地点は隣接地点とのバランスでモニタリング点を除外しても未測定地域の濃度分布に大きな影響がないことがわかった。
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Research Products
(4 results)