2010 Fiscal Year Annual Research Report
流域の仮想集水域指標の開発と環境コミュニケーション機能の分析
Project/Area Number |
20710033
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
後藤 忍 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (70334000)
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Keywords | 仮想集水域指標 / 流域 / 環境指標 / 環境コミュニケーション / 環境教育 |
Research Abstract |
本年度は,1)指標の環境コミュニケーション機能に関する指標の設計要素と,提示による効果についての研究,2)仮想集水域指標の研究内容に関する書籍の執筆,を行った。 指標の設計要素と提示による効果については,幅広い年齢層を考慮して,小学生を対象とした環境教育の場で環境指標を取り上げた。小学生にとって身近な通学路を対象とし,どのような指標を用いれば良い点や悪い点を評価できるのか,その指標は妥当か,指標による評価を実感するためにどのような工夫が考えられるか,などの点を検討した。通学路の指標には主に「便利さ」「気持ちよさ」の軸があり,触れる樹木の数やゴミの数などで評価可能なこと,指標の規準化によって比較した異なる通学路の評価結果はメンバーの意見と合致すること,指標を実感するための工夫(例:ゴミを減らすための掃除機の電力量を自転車発電で賄う)によってコミュニケーション性が高まること,などの結果が得られた。これらの結果を含む活動の内容について,日本環境教育学会で報告した。 仮想集水域指標の研究内容に関する書籍の執筆については,阿武隈川流域を対象に,福島大学の教員を中心として実施した研究成果をまとめた書籍『阿武隈川流域の環境学』の刊行において,「流域の水資源管理のための環境指標」(p.255~270)を分担執筆した。仮想集水域指標に関するこれまでの研究成果とともに,流域や水資源管理の分野で開発されている新しい環境指標の動向を踏まえて内容を構成した。
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Research Products
(2 results)