2008 Fiscal Year Annual Research Report
島嶼型地域の社会・文化・環境持続システムのありかた-自律発展型環境教育
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20710039
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
毛利 紫乃 Okayama University, 廃棄物マネジメント研究センター, 准教授 (00379827)
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Keywords | 環境教育 / 持続可能社会 / 島嶼研究 / 重要無形文化財 / 過疎高齢化 / 緩衝池 / 水質浄化 / ユネスコスクール |
Research Abstract |
本研究の内容は、「持続発展教育」についての我が国での積極的実践研究が最重要課題の一つとなっている機運を受け、持続可能という概念を示す具体的事例としての島嶼社会を研究対象とし、大学、高校、地域社会(公民館を拠点とするネットワーク)、NPO法人の各セクターの協力体制を整えた。過疎高齢対策が不可逆的に進む中、次世代の教育の現場として島嶼社会は、歴史、文化、自然環境、地域、水資源確保、水質管理などの各切り口を備えている非常に優れた現場である。具体的には笠岡市笠岡諸島白石島の文化と環境工学的インフラとしての調整池水質調査、浄化対策の検討を主とした大学での研究成果を高校の環境教育プログラムの実習課題に組み込み、その効果と発展性を検証する方法を確立することを目的とした。その一年目の成果として以下の項目について知見がえられた。 1. 緩衝池における水質浄化機能を検証するため、池並びに海域、水路の水質調査を行った。その結果、現在では耕作地負荷ではなく、生活排水が汚濁現となっており、海域への窒素リン汚染は緩衝値によって押さえられていることが確認された。また富栄養化について窒素制限、リン制限は季節によって変動していた。 2. 低泥の浚渫についてはバキューム方式を検討するが、浚渫時の撹乱による一時的な水質汚濁対策の必要性があった 3. 矢掛高校環境教育プログラムの二回目の実施結果により、単なる清掃や遊歩道整備のみではなく、白石踊等、歴史文化的背景の理解とさらに島民とのふれあいにおける体感的理解、気づきの効果が大きいことが二日における実習により明らかであった。 4. 自発的環境学習プログラムの有意性を国際的レベルから地域レベルへ、大学から小学校へと紹介、討議し、成果の還元を行った。これについてはネットワーク化を検討することが重要であることがわかった 5. 島民参加型のホームページ試作版を作成し、その中で各切り口、各セクターの関係性を明らかにすることを意識した。コンテンツについては今後充実を図る。
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Research Products
(2 results)