2009 Fiscal Year Annual Research Report
島嶼型地域の社会・文化・環境持続システムのありかた-自律発展型環境教育
Project/Area Number |
20710039
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
毛利 紫乃 Okayama University, 廃棄物マネジメント研究センター, 准教授 (00379827)
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Keywords | 笠岡諸島白石島 / 環境教育 / 水質浄化 / 持続的社会 / 過疎問題 / 民族文化財保存 / 島嶼型地域 |
Research Abstract |
本研究では持続可能という概念を示す具体的事例として、笠岡諸島白石島の干拓地調整池の問題に取り組んできた。この調整池は集落の生活排水や干拓地からの農業排水を受入れて瀬戸内海へと放流しており、汚濁物質の希釈、沈降機能等を備え、白石島で発生し瀬戸内海へ流出する汚濁負荷を低減させており、沿岸域の環境保全能を有している。この調整池は、従来、島の青年団によって祭り行事の一環として手作業で浚渫され、環境保全機能が保たれていたが、過疎のためにこの40年来浚渫が途絶しており、汚染された底泥の堆積とその環境影響が懸念されている。 今年度は調整池の水質、底質、魚について調査を行った。重金属は全てのサンプルについて、水質については、水温、pH、酸化還元電位、電気伝導度、TOC、クロロフィル、全リン、全窒素、SSについて現地での調査を行った。 調整池は富栄養化が進んでいるが、調査を行った秋から冬にかけて水中のTN/TPの比は最大でも5弱であり、底質では2弱以下であった。どちらの値も窒素制限的である事を示している。なお、窒素制限的状態は、海域では広く認められることである。底質や水質の重金属濃度は生活排水の影響を受けており比較的高い濃度となっていた。調整池の重金属がボラ、ハゼ、鯛等の魚類にどの程度影響しているかについて、瀬戸内海の他の場所で捕獲された魚類や文献値と比較して検討を加えた。検討結果によれば、淡渫などの底質対策が必要であると判定された。 また、昨年度に完成させた白石島ホームページ試作版に関して、環境教育の部分を強化し、島嶼における環境教育のしい形を提示する啓発的な内容として改善した。
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Research Products
(1 results)