2008 Fiscal Year Annual Research Report
損傷乗り越え型DNA合成酵素Rev1の発がんへの関与
Project/Area Number |
20710043
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
豊島 めぐみ Hiroshima University, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (80423052)
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Keywords | マウス / 発がん / 損傷乗り越え修復 / 放射線、X線、粒子線 / 細胞、組織 |
Research Abstract |
がんの多くの遺伝子変異は点突然変異である。最近の研究により、点突然変異の誘発には、損傷部位を乗り越えて複製を行うこと「損傷乗り越えDNA合成」のできる特殊なポリメラーゼが関与していることが明らかにされた。このようなポリメラーゼ群は、忠実度が低く「誤りがちなDNA合成」をすることで突然変異を誘発する。本研究は、「損傷乗り越え合成」の中心的役割を果たしているRev1に着目し、metallothionein promoterを用いてRev1を過剰発現することの出来るRev1トランスジェニックマウスを用いて、その機能と発がんへとの関係を個体レベルで解明することを試みた C57BL/6系統の野生型マウス、Rev1トランスジェニックマウスを用意し、3週齢から屠殺を行うまでの期間中、25mM ZnSO4水を自由摂取させた。6週齢で、N-methyl-N-nitorosourea(MNU)を0.9%生理食塩水に溶解し、50mg/kgを1回腹腔内投与した。その後屠殺し、マウス一匹あたりの小腸腫瘍の数、及び小腸腫瘍の大きさを計測した。 MNU投与から1ヶ月で屠殺を行った結果、野生型マウス、Rev1トランスジェニックマウスの全てのマウスに小腸腫瘍が誘発されていた。小腸腫瘍の数は、野生型マウスよりもRev1トランスジェニックマウスの方が有意に多かった。また、腫瘍の大きさに関して、野生型マウスよりもRev1トランスジェニックマウスの方が腫瘍のサイズが大きいという結果が得られた。
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