2009 Fiscal Year Annual Research Report
イオン飛行時間分析法を用いたクラスターDNA損傷の直接観測
Project/Area Number |
20710048
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
藤井 健太郎 Japan Atomic Energy Agency, 先端基礎研究センター, 研究職 (00360404)
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Keywords | 電離放射線 / DNA / クラスター損傷 / 放射光 / 軟X線 / イオン |
Research Abstract |
本研究は、単一の電離放射線によって、どのようなクラスターDNA損傷が生成するのか、またその生成過程についての知見を得るために、単色軟X線によってDNA分子中に同時に二個以上生成するイオンの生成時間とイオン種の相関について調べることが目的である。平成21年度は放射光ビームラインで今後使用するための、飛行時間型イオン質量分析器をオフラインにおいて整備を行った。平成20年度にオフライン実験の線源として使用した電子線源の装置の故障により、電子線照射によるオフライン実験がほとんど行えなかった。その間、放射光ビームタイム実験に備えて、ヌクレオチド単分子およびオリゴヌクレオチド分子薄膜に対する軟X線吸収スペクトルの測定や、生化学実験によって特定塩基の損傷を特異的に検出するための実験準備を行った。整備の後、低エネルギー電子線によるDNA薄膜の照射実験を行い、いくつかのエネルギーにおける鎖切断と塩基損傷の収率を求める実験を行った。低エネルギー電子線の飛程が非常に短い(数十nm)ため、実験条件の最適化にはまだ多少時間を要するが概ね実験が終了した。平成20年度に整備したマルチチャンネルスケーラーやパルス電源の整備を行い、飛行時間測定に向けた実験装置および測定装置の準備が概ね終了した。 さらに放射光施設において、DNA薄膜やDNAモノマー分子に対する軟X線照射実験を行い、照射によるX線吸収端近傍微細スペクトルの変化を観測した。得られた情報により、軟X線によってDNA分子にどのような変化が生じるかの知見を得ることに成功した。
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Research Products
(14 results)