2008 Fiscal Year Annual Research Report
微生物共生系を活用した、セルロース系廃棄物資源化プロセスの構築
Project/Area Number |
20710061
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤井 克彦 Yamaguchi University, 農学部, 准教授 (30333660)
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Keywords | 環境技術 / 廃棄物再資源化 / 応用微生物 / バイオマス |
Research Abstract |
本年度は以下の事項について研究を行なった。 (1) 寒天培地による糖化菌・酵母の共生試験 セルロースバイオマス糖化菌を非醸造酵母(セロビオース発酵酵母およびキシロース発酵酵母)を接種したブドウ糖・無機塩寒天培地の中心に加えて静置培養し、酵母および糖化菌の生育具合を観察して混合培養の可否を検討した。混合培養が可能な場合は寒天培地上に広がった糖化菌の菌糸の下に酵母の生育が認められ、逆に混合培養が不可能な場合は糖化菌菌糸周辺にハロ形成が見られる、あるいは糖化菌菌糸が成長しない様子が観察される、と当初は期待したが、糖化菌の生育が非常に旺盛で寒天培地全面を埋め尽くし、混合培養可能性について結論的な判定を下すことが不可能であった。 (2) 液体培地による糖化菌・酵母の発酵試験 (1)の結果を受け、セルロースバイオマス糖化菌と非醸造酵母の組み合わせについて液体培地での混合培養可能性を検討した。試験管にブドウ糖・無機塩培養液とダラム管を入れ、ここに糖化菌と酵母の前培養液を接種し、静置培養した。実験の結果、培養液に酵母エキスあるいはペプトンを添加した場合に、いくつかの糖化菌および酵母の組み合わせで両者の生育が認められた。酵母エキスあるいはペプトンは酵母側の生育に必要であり、酵母がビタミンやアミノ酸等の成分を生育に要求することが示唆された。混合培養が可能であった組み合わせでは、培養液上面で糖化菌菌糸の生育が、底面で酵母の増殖が認められた。ダラム管には炭酸ガスが発生しており、エタノールも0.1%程度ではあるが検出された。 本年度の成果の一部は、学術雑誌(Journal of Industrial Microbiology & Biotechnology)に投稿し、審査中である。
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