2008 Fiscal Year Annual Research Report
走査トンネル顕微鏡の探針による単一高分子ワイヤーの操作
Project/Area Number |
20710070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高城 大輔 Osaka University, 理学研究科, 助教 (50456993)
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Keywords | ジアセチレン / 連鎖重合反応 / ポリジアセチレン / 自己組織化 / 導電性ポリマー / 走査トンネル顕微鏡 / 水素結合 |
Research Abstract |
本研究では、単一高分子ワイヤーの走査トンネル顕微鏡(STM)探針による操作を目的としている。そのサンプル作製法の一つとして、末端に水酸基を持つ10,12-pentacosadiyn-1-olのモノマーをグラファイト基板上に配列させた後、紫外線照射またはSTM探針を用いたパルス電圧印加により連鎖重合反応を誘起し、グラファイト基板上にポリジアセチレンワイヤーを得ようと試みた。その結果、10,12-pentacosadiyn-1-olのモノマーは末端水酸基の影響により、カラム軸に対して分子鎖方向を傾けたヘリングボーン構造を持った分子配列を形成することを明らかにした。しかし、この構造では、ジアセチレン部間の距離が離れてしまい、バルクのジアセチレン結晶で確かめちれている重合可能とされる範囲から大きく外れているため、重合しないものと予想された。しかし、驚くべきことに、紫外線照射または電圧印加により、グラファイト基板上で重合反応が誘起され、そのポリジアセチレンワイヤーが得られることを明らかにした。これは、表面で特異的に起こる反応と考えられ、そのメカニズムの解明を行なっそいる。 また、側鎖の末端に官能基を導入し、高分子ワイヤー間に強い結合を生じさせ、より効率的に複数本の高分子ワイヤーの方位を一度に制御する目的で、官能基間の結合力の評価を行った。具体的には、STMのズキヤンをグラファイト基板上に吸着させた1-octadecanolが、STM探針のスキャンの影響下にあっても、その末端水酸基が形成する水素結合を保持したまま脱離することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)