2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体を用いた自己組織的カーボンナノチューブ構造体形成とその情報処理応用
Project/Area Number |
20710084
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大矢 剛嗣 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (30432066)
|
Keywords | カーボンナノチューブ / 金属錯体 / 自己組織化 / ナノデバイス / アナログ情報処理 / CVD |
Research Abstract |
本研究では新しいアプローチからカーボンナノチューブ(CNT)情報処理デバイスの開発を目的としている。新しいアプローチとは「新しい情報処理CNTデバイス開発のために自然界で行われている非線形な情報処理・自己組織的構造形成を模倣する」ということである。目標達成のために以下の三点に着目し研究を遂行してきた。それは、第一に金属錯体溶液を用いた基板上への自己組織的構造形成,第二にその構造を利用したCNT構造体の作製,第三にそのCNT構造体による新しい情報処理システムの開発である。これまでの研究により上述一つ目の「金属錯体溶液を用いた基板上への自己組織的構造形成」と二つ目の「金属錯体溶液により形成された構造を利用したCNT構造体の作製」についてはその実現可能性を見出し論文により報告を行ってきている。三つ目の「CNT構造体による新しい情報処理システムの開発」については現在複数のアプローチから研究を行っている。具体的には、特徴的ではあるが素子パラメータとしてはばらついてしまう構造について、これに適したシステム(生体の「確率共鳴現象」に学ぶばらつき許容システム)を設計し学会発表など行っている。さらにはこのシステムにより環境ノイズも許容できる可能性を見出した。また、平成21年度に明らかにし学会発表を行うに至った基板上構造体形成のプロセス(作製条件と構造物との相図)について、よりデータを洗練し査読付き英語論文への発表準備を進めている。これにより国内だけではなく海外にも情報発信ができる。
|
Research Products
(3 results)