2008 Fiscal Year Annual Research Report
単一量子ドット-有機色素複合ナノ粒子の光アンチバンチング挙動解析
Project/Area Number |
20710086
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
増尾 貞弘 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 助教 (80379073)
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Keywords | 1分子計測(SMD) / ナノ材料 / 量子ドット / アンチバンチング / 単一光子 |
Research Abstract |
単一量子ドットおよび有機発光性色素からなるナノ構造体を作製し、光励起に伴い、単一量子ドットをエネルギードナー、およびエネルギーアクセプターとすることにより、ナノ構造体の光アンチバンチング挙動について知見を得ることが本研究の目的である。本年度は、(1)目的達成に向けた測定装置の構築および解析プログラムの作成、(2)単一量子ドットの発光特性、(3)単一量子ドット-有機発光性色素複合ナノ構造体の作製に主眼をおき研究を遂行した。(1)に関して、ステージ走査型共焦点顕微鏡に励起光源として3波長のパルスレーザー、また検出器に4台のアバランシェフォトダイオードを組み込むことにより、単一ナノ構造体からの発光を2波長同時に光アンチバンチング挙動の測定が可能な顕微システムを構築し、またデータ解析のためのプログラムの作成に成功した。(2)に関しては、粒径の異なる3種類のCdSe/ZnS量子ドットを用い、単一量子ドットの発光挙動における粒径依存性、励起波長・励起光強度依存性、および励起光のパルス幅依存性について詳細な検討を行い、新たな知見を得ることに成功した。(3)に関しては、発光性色素としてペリレン系色素を用い、CdSe/ZnS量子ドット-ペリレン系色素からなるナノ構造体の作製を行った。(1)で構築した顕微システムを駆使することにより、量子ドットをただ1つのみ含有するナノ構造体の作製が可能であることを見出した。さらに、量子ドットを光励起に伴うエネルギードナーとして働かせることにより、ナノ構造体の光アンチバンチング挙動について知見を得ることに成功した。
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Research Products
(5 results)