2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20710088
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
橋詰 峰雄 Tokyo University of Science, 工学部・第一部, 講師 (40333330)
|
Keywords | ナノ材料 / 有機-無機ハイブリッド / ウェットプロセス / 自己組織化 / バイオミネラリゼーション / アパタイト / 生体材料 |
Research Abstract |
本研究はナノテクノロジーの要素技術として、無電解めっきやゾルーゲル反応等のウェットプロセスにより金属や半導体、金属酸化物などのナノ物質を二次元面内で複合集積化するための新手法の開発を行うものである。集積化のscaffold(足場)として構造安定な有機-無機ハイブリッドベシクル「セラソーム」の脂質膜表面など、分子の自己組織化によって形成される表面を利用し、それらの特性をナノ物質の選択的集積化の駆動力として利用することを目指している。 前年度までに得た知見をふまえ、本年度はまず複合化の手法として体液類似環境を利用したアパタイト析出系に注目し、セラソームにカルボキシルをもつ両親媒性分子を混合すると効率よくアパタイト析出が誘起できることを明らかにした研究をまとめ、原著論文として発表した。またscaffoldとして高分子薄膜を採用し、研究概念の一般性を示すことを目指した。種々検討を行った結果、無機物との複合化に有効な官能基をもたない高分子の薄膜表面に対し、血清タンパク質吸着層を利用することで疑似体液からのアパタイト析出を実現した。さらにポリスチレン薄膜とポリメタクリル酸メチル薄膜との間でアパタイト析出挙動に明確な選択性を生みだすことができることを明らかにし、成果を論文発表した。これは高分子の相分離膜構造に沿ったアパタイトの面内パターニングが可能であることを示すものである。一方ゾルーゲル法による金属酸化物層複合化の系ではscaffoldとして色素集積膜やポリイミドフィルムの適用可能性について検証した。本研究によりscaffoldの相分離構造や、複合化する成分とscaffoldとの界面を結ぶリンカー分子の選択的吸着挙動を利用し、それらと種々のウェットプロセスとを組み合わせることでセラソームや高分子薄膜表面において面内複合集積化を実現するための種々の手法を獲得することができた。
|
Research Products
(13 results)