2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ電子デバイス用雪だるま型バイオナノパーツの創成と機能評価
Project/Area Number |
20710089
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
岩堀 健治 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 研究員 (90467689)
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Keywords | ナノテクノロジー / ナノ粒子 / 化合物半導体 / フェリチンタンパク質 / 蛍光発光微粒子 |
Research Abstract |
本研究は直径12nm内部空洞7nmの24量体タンバク質であるフェリチンタンパク質と直径9nm、内部空洞4.5nmのリステリアDpsタンパク質の異なるタンパク質超分子内にサイズの異なるナノ粒子を作製し、それらを接合する事で新規のナノ電子デバイス用雪だるま型バイオナノパーツの創成と機能発現を目的として行われた。本年度は、作製したバイオナノパーツが電子デバイスとして機能するために必要な新規ナノ粒子作製条件の決定と作製したナノ粒子の性質検討を行った。ナノ粒子合成条件を詳細に検討する事によりアポフェリチン空洞内へ新規化合物半導体ナノ粒子であるCdSナノ粒子の一溶液中合成(one-pot合成)に成功した。作製したナノ粒子の詳細な分析より本ナノ粒子は直径7nmのCdS立方晶である事が確認され、さらかタンパク質殻を保持するにもかかわらずCdSナノ粒子由来の赤色蛍光発光が初めて確認された。さらに、反応溶液中のアンモニウムイオンの濃度を変化させる事で世界で初めてone-pot合成におけるフェリチン内でのナノ粒子粒径制御が可能となった。この粒径制御により、3種類の直径が異なるCdSナノ粒子(直径4.7, 5.1及び7.1nm)が作製され、それぞれ異なった蛍光を発する事が確認された。この簡便なアポフェリチン内ナノ粒子サイズ調整法により種々の蛍光を発生するナノ粒子が作製可能となり、今後の電子デバイス分野における応用展開に非常に重要な技術となると考えられる。これらの成果は学会で発表され、さらに国際論文(K.Iwahori et.al., Nanotechnology, 19,49561(2008))に発表済みである。現在、上記CdSで検討されたナノ粒子合成方法を元にアポフェリチン空洞内へZnSナノ粒子及びCuSナノ粒子の作製も可能になりつつあり、ナノ粒子に関する特徴を検討中である。また、雪だるま型バイオテンプレート(SMBT)の作製に関しては、現在基板上修飾法の条件検討を行い、水晶振動子(QCM)、及び電子顕微鏡等を用いて評価を行っている。
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Research Products
(5 results)