2008 Fiscal Year Annual Research Report
オキソ酸遷移金属化合物ナノ粒子の結晶配向制御と電気化学活性
Project/Area Number |
20710090
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
獨古 薫 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 准教授 (70438117)
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Keywords | ナノ材料 / 水熱合成 / リチウム電池 |
Research Abstract |
オキソ酸遷移金属化合物LiMPO4(M=Fe, Mn)のナノ粒子を水熱法によって合成した。水熱合成では水溶液中で結晶成長を行うため、高品質な微粒子を得ることが可能であった。合成時の温度、雰囲気を制御することにより、不純物の生成を抑制することができた。出発物質の濃度および反応性により生成物の粒子形状や結晶配向性などが影響されることが明らかとなった。また、水熱処理の温度によって粒子形状が変化することが明らかとなった。オキソ酸遷移金属化合物の合成時の出発物質濃度、溶液のpH、添加剤などがナノ粒子の析出過程に大きな影響を及ぼすことが分かった。特に, 溶液のpHによってオキソ酸遷移金属化合物の結晶の配向性が変わり, これにより, オキソ酸遷移金属化合物の電気化学活性が大きく変化することが明らかとなった。水熱処理条件を最適化することにより, LiFePO4のac面が大きく露出し, b軸方向の厚さが小さなナノ結晶の合成に成功した。このナノ結晶は電気化学活性が高く, 定電流充放電試験の結果, 160mA h g^<-1>と理論充放電容量(170mA h g^<-1>)に近い容量を示した。さらに, LiFePO4の水熱合成を行う際にアスコルビン酸を添加すると, アスコルビン酸が炭化し, カーボンがLiFePO4ナノ粒子の表面に析出すことが分かった。このようにして調製されたLiFePO4/カーボン複合体を700℃程度の温度で不活性雰囲気下で熱処理を施すとカーボンの電子伝導性が向上した。熱処理を施したLiFePO4/カーボン複合体と高分子バインダーを混合して作成した合剤電極では効率的にLiFePO4粒子からの集電が可能であるため, 高速充放電が可能な電池を作製できることが分かった。
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Research Products
(4 results)