2008 Fiscal Year Annual Research Report
ボトムアップ法によるダイナミックナノデバイスの開発
Project/Area Number |
20710092
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
田丸 俊一 Sojo University, 工学部, 助教 (10454951)
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Keywords | 超分子化学 / ナノ材料 / ダイナミクス / イオン液体 / ナノマシン |
Research Abstract |
ナノスケールの限定された空間・経路において、高度に制御された物質の移動・輸送を可能にするナノデバイスの創製は、特にナノマシン開発やそれらを組み合わせたナノシステムの構築に大きく寄与する事は疑いない。本研究では、ナノエレクトロニクス素材やナノマシンなどの開発に対して、より現実的に貢献し得るナノ材料の創製を指向して、有機小分子とイオン液体分子が非共有結合的に組織化した超分子ナノ構造体を用いて、非溶液条件(大気下さらには真空下)で機能する流動性ナノ構造体の創製と、そのナノサイズでの物質輸送システムへの展開を目指して研究を行った。揮発性の溶媒中にイオン液体分子と有機小分子を共に溶解したのち溶媒を留去することで、イオン液体と融合しつつ明確な形態を持つ超分子構造体が形成するものと期待して研究を遂行した。超分子を形成する有機小分子は「親イオン液体部」と「親揮発性溶媒部」および「リンカー部」から成る分子設計のもとコンビナトリアル的にスモールライブラリ化した。これらの有機小分子について、さまざまなイオン液体と揮発性有機溶媒の混合溶媒系での自己組織化能を検討した。その結果、「有機溶媒とイオン液体の混和性」・「有機小分子の有機溶媒への溶解性」および「有機小分子のイオン液体への溶解性」のそれぞれに依存して、異なる形状を持つ超分子型複合体の形成が確認された。特にイミダゾール系イオン液体を内包した超分子膜においては、その膜が高真空条件下においても流動的特性を有することが電子顕微鏡観察により確認された。
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