2009 Fiscal Year Annual Research Report
ボトムアップ法によるダイナミックナノデバイスの開発
Project/Area Number |
20710092
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
田丸 俊一 Sojo University, 工学部, 准教授 (10454951)
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Keywords | 超分子化学 / ナノ材料 / ダイナミクス / イオン液体 / ナノマシン |
Research Abstract |
ナノスケールの限定された空間・経路において、高度に制御された物質の移動・輸送を可能にするナノデバイスの創製は、特にナノマシン開発やそれらを組み合わせたナノシステムの構築に大きく寄与する。本研究では、ナノエレクトロニクス素材やナノマシンなどの開発に対して、より現実的に貢献し得るナノ材料の創製を指向して、有機小分子とイオン液体分子が非共有結合的に組織化した超分子ナノ構造体を用いて、非溶液条件(大気下さらには真空下)で分子の移動・拡散に基づいて機能を発揮する流動性ナノ構造体の創製と、そのナノサイズでの物質輸送システムへの展開を目指す。 平成21年度は、疎水性のアルキル鎖の両末端に、二糖とイミダゾリウムカチオン骨格をそれぞれ導入した一連の非対称性双頭型界面活性剤を合成した。この界面活性剤は、水に対して容易に溶解し特定の自己組織化体を形成しないが、水に不溶のイオン液体の存在下で、イオン液体/水型のエマルジョンを形成し分散する事を見出した。このエマルジョンは極めて安定であり、長時間保存しても常に一定のエマルジョン状態を保つことが出来た。市販の界面活性剤を用いた場合エマルジョン形成は観られるものの、安定性に乏しく短時間で水とイオン液体の分離が目視でも観測された事から、開発した新規界面活性剤は、イオン液体/水型のエマルジョン安定剤として活用できる事が明らかとなった。
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