2008 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的なナノプロセシングに基づくバイオアクティブ界面の創出
Project/Area Number |
20710094
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶 弘和 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (70431525)
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Keywords | 自己組織化 / 生体材料 / ナノバイオ / リソグラフィー / AFM / 電気化学 |
Research Abstract |
原子間力顕微鏡(AFM)システムへの電気化学バイオリソグラフィー技術の搭載と、それによる生体分子の基板上へのパターニングを検討した。先端に電極を有するプローブを作製するために、まず、白金イリジウム(PtIr)がコートされたAFMプローブ全体をパリレンCで絶縁した。パリレンC絶縁膜形成前に、プローブ表面に3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(3-MPS)の自己組織化膜を導入することで、絶縁膜の密着性向上が認められた。その後、プローブ先端を機械研磨することで電極を露出させた。SEM観察と電気化学測定から、プローブ先端にのみ電極が露出していることを確認した。また、電極の実効サイズは約500nmと見積もられた。市販のAFMシステムを用いて、プローブ電極をヘパリンをコートした基板表面にアプローチさせ、乾電池を電源に用いて次亜臭素酸の電解生成を行った。電解処理後の基板表面のAFM像から、電解生成した次亜臭素酸によりヘパリン膜が局所的に基板から脱着することがわかった。また、蛍光観察からヘパリン膜の脱着領域にフィブロネクチンが吸着することを確認した。フィブロネクチンのパターンサイズの直径は2μmであり、これはマイクロディスク電極(直径10μm)を用いた場合に得られるパターンサイズと比較して1/20以下であった。今回検討したシステムで作製したフィブロネクチンの典型的なパターンサイズは数μm程度であったが、プローブ先端の電極サイズを小さくすることで、原理的にはパターンサイズの更なる微細化が可能である。
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Research Products
(7 results)