2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20710096
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 雅祥 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (10346075)
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Keywords | 生体分子機械 / 分子モーター / ゆらぎ / 高圧力 / 光学顕微鏡 / 1分子計測 / ナノメートル計測 / 光ピンセット |
Research Abstract |
細胞内の成分組成を見てみると、タンパク質、核酸などの生体分子は重量にして30%にすぎず、残り70%は水から構成されている。真空中では石のように硬く安定な構造をとるタンパク質も、水分子と相互作用することでエネルギー的に不安定化を生じ、タンパク質構造に揺らぎがもたらされる。本研究課題では、1)高圧力技術を用いて生体分子機械と水分子との相互作用を変調と観察を行える高圧チャンバーの開発と、2)高圧力下でナノメートル計測を可能とする検出系の開発を行った。まず高圧チャンバーは、対物レンズ側の観測窓までの作動距離を短くするため、観測窓剤の形状を従来まで採用してき円盤状から円錐台状へと変更した。これにより、光ピンセットを可能にするNA=0.85の開口数をもちながら、1000気圧の耐圧性能を両立させることに成功した。次に、高圧力顕微鏡にハイスピードカメラを導入し、バクテリアの回転器官であるべん毛モーターの高速回転ナノ計測を行った。高圧チャンバー内でべん毛に取り付けたポリスチレン球の回転計測を行い、フレーム毎に画像解析で重心位置を決定した。ビーズの回転周波数は圧力の増加と共に減少したのに対して、回転半径はほぼ一定であった。べん毛モーターが発生するトルク値は、概して圧力と共に減少したものの、回転速度がゼロ近くにおける最大発生トルクは~1500pNnmからほとんど変化しなかった。本研究課題で開発した観測システムを用いれば、ATP合成酵素などの分子モーターに応用可能であり、高圧力下での回転計測を可能にする。
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Research Products
(6 results)