2008 Fiscal Year Annual Research Report
偏光した励起光と光導波路型基板を用いた蛍光の超高感度検出
Project/Area Number |
20710098
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
秋元 卓央 Tokyo University of Technology, 応用生物学部, 講師 (90367194)
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Keywords | 蛍光 / プロテインチップ / 偏光 |
Research Abstract |
光導波路型基板上の蛍光を高感度に検出するための蛍光検出装置の開発を行なった。干渉縞の影響を考慮し、励起光源には水銀ランプを用い、偏光板によって偏光を制御した。励起光の入射角度は0〜75°とし、蛍光の検出は冷却CCDカメラでおこなった。本装置と、蛍光物質としてRhodamineBを用いて蛍光を測定した結果、TE偏光した励起光で蛍光は効率よく増強されTM偏光の励起光では蛍光は増強されないことが確認できた。また、蛍光が増強するAl_2O_3の膜厚では、励起光が強く散乱していることが明らかとなった。 この結果より、励起光の強い散乱が蛍光増強に強く関与していることが示された。 次に、励起・蛍光波長の異なる蛍光物質としてFluorescein、RhodamineB、Cy3、Cy5を選択し、これらの蛍光物質を最も強く増強するAl_2O_3膜厚と蛍光増強度をそれぞれ検討した。この結果、Cy3とCy5の蛍光増強度が高く約30倍程度であり、蛍光増強度が最大となるAl_2O_3の膜厚はそれぞれ、90nmと105nmであることがわかった。当初の予定よりも低い蛍光増強度となったが、これは蛍光物質の滴下方法に原因があると考えられる。 光導波路型基板を用いてタンパク質の測定を行う前に、蛍光での標識がより簡単なDNAの検出を試みた。実験では、一本鎖のプローブDNAを光導波路型基板に固定化し、そこに、Cy3とCy5で標識した一本鎖のターゲットDNAを流すことで、ターゲットDNAの検出を行なった。この結果、ガラス基板の場合と比較し、ICy3とCy5で標識したDNAを約30倍の測定感度で測定することが可能であった。
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