2009 Fiscal Year Annual Research Report
多重量子井戸のひずみ制御MEMS波長可変レーザの開発
Project/Area Number |
20710099
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
肥後 昭男 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 助教 (60451895)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / マイクロマシン / 量子井戸 |
Research Abstract |
本研究では,光ファイバ通信網における波長多重通信において,基幹となるレーザとMEMSを組み合わせては波長可変なレーザを構築することを目的としている.平成20年度では,任意の波長を選択するための周期構造単体を並行平板型アクチュエータで変化させた場合におきる波長変化量がわずかであることを示した.InP基板上に成長したレーザ構造とMEMS部分をすべて同時にInP基板上に作製することは困難を極めることから,21年度では発光部分をもつ圧縮ひずみ8000ppm,1.55umに中心波長をもつひずみ多重量子井戸構造をシリコン基板上に直接張り合わすための表面活性化接合技術を確立した.これは,シリコン基板、レーザ基板双方を酸素プラズマにさらし、300度で加圧することで接合する.さらに,窒素雰囲気中で12H程度アニールすることで接合はより強固なものになった,非常に薄い酸化膜が接合面に形成されているため,電流注入が困難になる可能性があったが,プラズマにさらす時間を調整することで電流注入が可能になった.さらに、電流をシリコン基板側から50mA以上注入することで自然発光をすることを確認した.残念ながら,研究計画年度までにすべての技術を確立できていないが,この技術を用いることと,シリコン基板側にマイクロマシン技術によって構造体を作製することで,ひずみ多重量子井戸に外部から応力を加えることでひずみを制御することが可能になるであろう.さらに,この技術によって,シリコン細線光導波路とInP多重量子井戸を用いた光増幅器,高速変調器やレーザとの集積化の展望も開けると思われる.
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Research Products
(3 results)