2009 Fiscal Year Annual Research Report
PDMS単一キャスティング構造による三次元シースフロー型ゲルソーターの開発
Project/Area Number |
20710103
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
白崎 善隆 The Institute of Physical and Chemical Research, 免疫ゲノミクス研究グループ, 基礎科学特別研究員 (70469948)
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Keywords | PDMS / 3次元シースフロー / マイクロセルソーター |
Research Abstract |
本研究では、申請者がこれまで開発してきたμFACSシステムをさらに発展させ、再生医工学や免疫学研究での実用を目指す。実用化にあたり最も重要な点は、再現性・信頼性の良いデータが取得できることである。そのためには、チップの大量消費を可能とするチップ加工の安価・高生産性と、作業者の技量などによる変動を最小限とするための操作の簡便性が重要である。また、細胞に対して低刺激であることや、検出の定量性に優れていることは必須の要件である。本研究では「PDMS単一キャスティング流路構造による三次元シースフロー形成」及びそれを発展させた「三次元シースフローを実装した次世代ゲルソーター」の開発を行い、上記のμFACSシステムに対して検出定量性の向上、細胞非侵襲性の向上および操作の簡便性の向上を目的としている。この目的に対し、本年度は昨年度までに確立した単一キャスティング法を用いて、三次元シースフローを実装したソーティングチップの設計および作製を行った。チップのマイクロ流路構造としては、2段階に分けてシース液を合流させる方法を用いた。まず1段階目において、サンプル流路:50μmに比べて2倍深い100μmの左右流路からシース液を合流させる。これにより、サンプル流は3方向からの絞込みを受ける。続いて、合流させた後の幅50μm、100μm深さの流路に対して、深さ5μmの左右流路からシース液を合流させる。これにより、サンプル流は1段目と上下逆方向の3方向絞込みを受け、流路断面中央部に集束される。このマイクロ流路を用いて蛍光ビーズにより線速度分布を測定したところ、シースフローなしと比べて十分狭い範囲の速度分布を得ることができた。また、このマイクロ流路を用いて研究者がすでに確立している温度感受性高分子を用いた分離法により、蛍光標識した細胞を分離したところ、従来よりも良好な分離成功率で分離することが達成された。
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