2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロエマルション重合による粒子径分布の狭いナノ高分子粒子の調製
Project/Area Number |
20710106
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
鈴木 清 University of Fukui, 大学院・工学研究科材料開発工学専攻, 講師 (30283162)
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Keywords | 化学工学 / 高分子合成 / ナノ材料 / 反応・分離工学 / マイクロ・ナノデバイス / 単分散粒子 |
Research Abstract |
ナノデバイスの基盤材料として、大きさの揃った(直径分布の狭い)ポリスチレン微粒子を得ることを目的に、スチレンと水と乳化剤および光開始剤を混ぜてマイクロエマルション状態とし、そこに光を時間的に制御して照射し、ポリスチレンの微粒子を調製し、得られた粒子の大きさとその分布を調べた。分布を狭くするのには、以下の条件が望ましいことが分かった。1)乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウムと1ペンタノールを用いた場合よりもドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(DTAB)を用いた方が良い。2)照射時間は短い方が良いが、短すぎると生成する微粒子の数が少なくて観測が困難で、しかも生産効率が低下する。3)生長時間には最適値がある。4)光開始剤としては、アゾ系のもののうち疎水性の高い2, 2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)または水溶性の2, 2'-アゾビス2メチルN-(2-ハイドロキシエチル)プロピオンアミドのいずれを用いても直径分布はそれほど変わらない。また、光源の照射スペクトルや温度の影響についての知見も得られた。乳化剤としてDTAB、光開始剤としてAIBNを用い、5℃程度で1分間照射後、9分間暗所に静置し、その後で空気を混ぜて重合を停止させた場合に、平均直径が26nm程度、直径の標準偏差を平均直径で割った値が0.25程度の微粒子を得ることができた。これは今までにマイクロエマルション重合で得られていたポリスチレン微粒子の直径分布に比べて狭いものである。さらに分布の狭い、すなわち大きさの揃った高分子微粒子を調製することができれば、より精密なナノデバイスの創製に役立つと期待される。
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Research Products
(1 results)