2008 Fiscal Year Annual Research Report
東北アジアを中心としたグローバルSCM効率化阻害要因の解明とその解決ツールの開発
Project/Area Number |
20710113
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 定省 Tokyo Institute of Technology, 大学院・社会理工学研究科, 准教授 (50323811)
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Keywords | サプライチェーンマネジメント / グローバル経営 / 組織能力 / 情報技術活用力 / 国際比較 / 経営成果 / 阻害要因 / 効率化 |
Research Abstract |
本研究は、これまでに申請者等が実施してきたスコアカード(LSC)に関する調査から蓄積されたデータベースおよびそれに基づくSCM性能と経営成果との関連性メカニズム等の研究成果を、グローバル経営の立場から韓国を新たな調査対象に加えた国際比較へと拡張し、国の制度や文化による違い、産業による違いを含めたグローバルSCM効率化における阻害要因の解明と、それを打破するための具体的提案、ツールの開発を目指すものである。今年度は研究の初年度にあたり、主として以下の2項目に関する調査、ならびに研究を行った。 (1) 日系を含む韓国企業におけるLSCによる調査と問題点の解析 (2) 上記結果を総括するまとめの解析とグローバルSCMの観点からの具体的調査計画の立案 (1) に関しては、韓国物流革命(http://logi-revo.co.jp/info/index.html)、韓国貿易協会(KITA)の協力を得て各分野の有力企業にコンタクトし、全国調査を実施したことで現在120を超えるサンプルのデータが収集された。これらの調査は平成21年度以降も継続して行う予定である。その際は、日韓両国のSCMレベル差を考慮した上で主に中小企業向けにスコアカード評価項目の見直しを含め、データ数の大幅な拡大を大韓商工会議所の協力を得て行うための協議を進めている。 (2) に関しては、これまでに保有していた日本、中国、タイ、フィンランドに韓国を加えた上で各国のSCM構造を分析すると、日本、中国の両国が企業における組織能力と情報技術力の2つの側面が互いに独立した評価尺度となっており、他国はこれらを不可分のものと捉えていることが推察される結果が得られるなど、グローバルSCMの構築ならびに効率化に向けた仮説フレームワークに関する準備が整った。
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