2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20710115
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
宮川 雅至 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (50400627)
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Keywords | 施設配置 / 頑健性 / 距離分布 |
Research Abstract |
平成20年度は, 施設配置の頑健性を評価するための基礎モデルを提供することを目的に, 閉鎖を考慮した施設配置モデルを構築した. そして, 施設が閉鎖された場合に, 住民から利用可能な施設までの距離がどの程度増加するのかを分析した. また, 施設までの平均距離を比較することで, 閉鎖に対して頑健な配置を明らかにした. 具体的な研究実績は以下の通りである : 1. 規則的配置とランダム配置を対象として, 住民からk番目に近い施設までの距離の分布(k次近隣距離分布)を導いた. 距離の計測には, 代表的な距離である直線距離と直交距離を用いた. 規則的配置に関しては, 高次の距離を解析的に表現することが困難なので, 距離分布の代わりに上限値・下限値を求めた. この上限値・下限値は既存研究で得られているものに比べて良いことが確認できた. 2. 求めたk次近隣距離分布を用いて, 閉鎖を伴う施設配置モデルを構築した. 施設が独立に閉鎖され, 住民は最寄りの開いている施設を利用するという仮定の下で, 利用可能な施設までの平均距離を求めた. これにより, 施設密度や閉鎖率が平均距離に及ぼす影響を理論的に把握することができた. 3. 施設までの平均距離を比較することによって, 頑健な配置を明らかにした. 直線距離の場合, 68%以上の施設が閉鎖されずに残るからば, 三角格子状配置が望ましい配置であることが分かった. 直交距離の場合には, 73%以上の施設が残るならば, ダイヤ格子状配置が望ましい配置となることが分かった.
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