2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20710115
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
宮川 雅至 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (50400627)
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Keywords | 施設配置 / 頑健性 / 距離分布 / 空間解析 / 最適配置 / モデル分析 |
Research Abstract |
本年度は,前年度に構築したモデルを用いて実際の公共施設配置の頑健性を評価するとともに,モデルの拡張として,施設閉鎖情報の提供効果を計測するためのモデルを構築した.具体的な研究成果は以下の通りである.1. 公共施設の位置データ,道路ネットワークデータを用いて,道路距離の下でのk次近隣距離分布を計測した.そして,施設が閉鎖された場合に,住民から利用可能な施設までの距離がどの程度増加するのかを分析した.この結果をモデル分析から得られた結果と比較することにより,直線距離や直交距離に基づくモデルがある程度,現実に適用可能であることを確認した.2. 災害時のように施設閉鎖情報が得られない状況を記述するモデルを新たに構築した.そして,閉鎖情報が得られる場合と得られない場合とを比較することで,情報の提供効果を計測した.その結果,閉鎖情報を提供することで住民の移動距離を大きく減らすことができること,および,閉鎖情報が得られるかどうかで最適な施設配置パターンが異なることが明らかになった.以上の研究成果は,不確実性に強い都市を設計するための基礎となる.構築したモデルを用いれば,施設閉鎖による損失の大きさを移動距離の増分として見積もることができる.また,施設の補強や増設,情報提供など様々な政策の効果を定量的に把握することができ,政策の優先順位を決定するための有用な資料となる.今後取り組むべき研究課題としては,施設だけでなくアクセスとしての道路も含めた頑健性評価が挙げられる.
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