2009 Fiscal Year Annual Research Report
金融市場の企業合併・買収時における価格決定メカニズムの解明
Project/Area Number |
20710117
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 大志 Keio University, 大学院・経営管理研究科, 准教授 (60420478)
|
Keywords | ファイナンス / 行動経済学 / エージェントベースモデル / 資産運用 |
Research Abstract |
本研究では、金融市場参加者の意思決定のバイアスが金融市場に与える影響に焦点をあて分析を行う。とりわけ本分析では、市場参加者行動と価格変動の関連性を取り扱う。本年度においては,当プログラムにおいて構築した金融市場シミュレータを用い,投資家と金融市場の関連性について分析を実施。そのなかで,証券投資におけるファンドのパフォーマンスの評価期間と金融市場全体の挙動の関連性について分析を実施,パフォーマンスの評価期間が短期の場合、市場価格がファンダメンタルバリューから乖離する可能性があることなど、示唆に富む、興味深い現象をみいだしている。また、パファーマンスが過度に投資行動に影響を与える場合についても、市場に悪影響をもたらされる可能性があることも確認している。 また、本研究においては、現実の金融市場参加者へのヒアリング調査,最先端の研究動向の調査を継続して実施。当研究における重要な項目である、投資家行動および経営者の行動に関する最先端の研究動向の調査を実施。現実の金融市場における市場参加者行動のより深い理解を目的とし、日本の金融市場において活動を行う機関投資家に所属するファンドマネージャーおよびアナリストを訪問し、現実の金融市場参加者の行動に関するヒアリングを実施。更に,本研究では,日本市場におけるM&Aの状況をより定量的に把握するため,M&Aに関するデータブックを購入し,1985年から2009年における日本市場におけるデータを確認(買収企業、被買収企業,買収手段,買収の規模,日時等),分析に必要となるデータ・ベースの構築を実施。
|