2009 Fiscal Year Annual Research Report
進化法を利用した非固定アセットで構成されるインデックスファンドの最適化
Project/Area Number |
20710119
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Research Institution | Ashikaga Institute of Technology |
Principal Investigator |
折登 由希子 Hiroshima University, 大学院・社会科学研究科, 講師 (60364494)
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Keywords | ポートフォリオの最適化 / インデックスファンド / 遺伝的アルゴリズム / 相関係数 |
Research Abstract |
インデックスファンド(ファンド価格がベンチマーク指数に連動することを目標に作成されたポートフォリオ)を構成する複数のアセット(資産)の投資配分比率の組合せを決定するという最適化問題を取り扱う。この最適化問題は、ファンドへの組入れ候補となるアセット数や投資配分比率の組合せ数が増えるほど実現的な計算時間で最適解を導くことが困難となる。この問題に対処するため、進化法を利用して非固定アセット(動的に選択されるアセット)で構成されたインデックスファンドを作成する新たな最適化手法を提案することが本研究の目的となる。平成20年度はファンド価格とベンチマーク指数の連動の割合を相関係数で定量化し、遺伝的アルゴリズムを利用して相関係数最大となるようなファンドの組入れアセットと投資配分比率の組合せの探索を行った。平成21年度は、より効果的に最適ファンドの探索を行うため、ファンドに組入れることで相関係数値を必ず改良するアセットの性質と制約を導出し、その性質を遺伝的アルゴリズムとシミュレーテッドアニーリングに取り入れることで、従来の最適化手法より短時間かつ効果的に最適ファンドの組入れアセットと投資配分比率の組合せを決定する最適化手法を提案した。本提案手法は、ファンドへの組み入れ候補となるアセットをあらかじめ与える必要のあった従来研究と比較し、動的アセット選択によりファンドへの組み入れ候補となる全てのアセットを最適化対象アセットとしてリストアップできると同時に、最適ファンドにとって重要度が高いアセットの性質を利用した効果的な組入れアセット選択、組入れられたアセットの投資配分比率だけを決定できるという利点をもつ。
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