2008 Fiscal Year Annual Research Report
時間軸を考慮した最適配置問題に関する理論的ならびに実証的研究
Project/Area Number |
20710121
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
田中 健一 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 助教 (90408724)
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Keywords | 施設配置問題 / 最適化 / 数理計画 / 時間軸 / 最大被覆問題 / 都市計画 / サービス時間帯 / 整数計画問題 |
Research Abstract |
対象地域における施設の望ましい配置場所を求める施設配置問題には数多くの蓄積が存在するが, 本研究はこれに時間軸を導入した一般化モデルを構築することを目指している. 人々の一日の時間軸上の行動パターンをモデルに組み込むとともに, 施設のサービス時間帯の決定問題も含めた拡張モデルを構成した. 具体的には, 会社から帰宅する途中に施設に立ち寄って一定時間サービスを受ける場面を想定し, 施設サービスを受けられる人数を最大化する施設位置とサービス提供時間帯を同時に決定する問題を提案した. サービス利用可能者として, サービスを最初から最後まで受けかつ決められた時刻までに帰宅可能な人と定義した. この問題を, サービス提供場所が一つの場合について, 線分領域と円盤領域の仮想都市における連続平面上の問題として定式化し, 様々な数値例のもとで施設位置と開始時刻の相違が利用可能者数に与える影響を分析した. さらにサービス提供拠点が複数存在する場合の問題へと拡張した. 少なくとも一つの施設サービスを利用可能な人数を最大化する問題を整数計画問題として記述し, 既存の最大被覆問題の拡張問題として定式化することに成功した. この問題の発見的解法を提案するとともに, 首都圏鉄道網データと通勤移動データを用いて, 各施設のサービス開始時刻を独立に設定可能な場合と, 同一時刻に開始しなければならない場合について具体的に分析を行った. サービス開始時刻を施設毎に独立に設定できるモデルでは, 立地場所は都心の一部に集中させサービス開始時刻をずらすことにより, 多くのサービス利用可能者数が見込めることを明らかした. さらに, 通勤から帰宅する移動に留まらず, 他の地点に一定時間滞在するタイプの様々な移動について同様のアプローチで分析を進めている. また,時空間的な移動コストの最小化などの異なる状況設定における定式化も進めている.
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