2008 Fiscal Year Annual Research Report
原子力災害対策や国民保護対策による県域間避難の効率的実施方策に関する研究
Project/Area Number |
20710126
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
梅本 通孝 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (10451684)
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Keywords | 減災 / 住民避難 / 原子力災害 / 国民保護 |
Research Abstract |
本研究は, 原子力災害対策や国民保護対策による県域を越える長距離の住民避難の効率的実施方策を検討するために, 各地における現行の原子力防災計画並びに国民保護計画の課題抽出と代替案の検討, 及び, 県域間避難シミュレータの開発と解析を行うものである。平成20年度における実施内容は次の通りである。 現行計画の課題抽出に関しては,県域間避難に関する現行計画の把握として, 原子力施設立地道府県の原子力防災計画及び全都道府県の国民保護計画を収集し, 県域を越える避難計画の詳細, 実施体制等の把握・整理を行った。避難手段別需要分担の推計に向けて, 県域間避難実施を想定した場合の住民の行動意向調査に用いる調査票の設計を行った。また, 避難車両輸送能力の推計に向けて研究対象地域における交通事業者等に関する統計資料など基礎的資料の収集を行った。これらの成果は, いずれも次年度以降実施予定の避難手段別の需給バランスの推計, 及び, 現行計画に対する代替案検討のための基礎的な準備段階として位置づけられる。 県域間避難シミュレータの開発に関しては, 県域を越える規模の住民の避難状況を模擬するためのシミュレーションモデルの概念設計を行い, 一部プログラムの作成に着手した。同シミュレータは次年度も開発が継続され, 最終的には県域間避難に関する現行計画と代替案の評価のための解析ツールとして用いられるものである。 なお, 本年度は研究期間の初年度であり主に研究実施体制の整備に傾注したため, 雑誌論文や学会発表などの研究発表には及んでいない。
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